「空はあおくて、雲はなくて、パソコンで描いた下手な絵みたいに一色だけ」
「太陽は?」
「太陽はいちばん高いところに昇っていて、みんな何だか白っぽくみえる」
「鳥は?」
「鳥は電線にもとまっていないわ」
「地面は?」
「道路。とまれの「ま」の上に立っているの」
「匂いは?」
「水の匂い。藻の浮いた水。それと排気ガス。草。どこかの家」
「音は?」
「静かよ。でも、音がしないんじゃない。聞こえているけど聞こえていない」
「蝉は?」
「もちろん蝉は鳴いているわ」
「車は?」
「どこかを走ってる。バイクも」
「人の声は?」
「テレビの音、運動部の音。笛の音。走ってる音」
「風は?」
「草が揺れる音。草が揺れる時に出る音。耳元を通る音」
「夏なのね?」
「そう」
「夏の、暑い時間」
「そう」
「・・・ねえ、伝わった?」
「ええ」
「伝わった?本当に?本当にちゃんと伝わったの?」
「ねえ、これはなんだと思う?」
「栞」
「わたしも栞だと思う。未智はそれじゃ不満なの?」
「うーん」 「・・・それって反則じゃないかしら」
「あら、ルールなんてあったんだ」
「あーあ、なんだか死んだくらげみたい」
「くらげ?」
「アメーバ」
「アメーバ?」
「輪郭が無いってこと」
「気にしたら負けなのよ、そういうのは。『信じる者は救われる』」
「『信じぬ者は救われぬ』」
「『聖なるかな』」
「『聖なるかな』」
「『アーメン』」
「『アーメン』」
「太陽は?」
「太陽はいちばん高いところに昇っていて、みんな何だか白っぽくみえる」
「鳥は?」
「鳥は電線にもとまっていないわ」
「地面は?」
「道路。とまれの「ま」の上に立っているの」
「匂いは?」
「水の匂い。藻の浮いた水。それと排気ガス。草。どこかの家」
「音は?」
「静かよ。でも、音がしないんじゃない。聞こえているけど聞こえていない」
「蝉は?」
「もちろん蝉は鳴いているわ」
「車は?」
「どこかを走ってる。バイクも」
「人の声は?」
「テレビの音、運動部の音。笛の音。走ってる音」
「風は?」
「草が揺れる音。草が揺れる時に出る音。耳元を通る音」
「夏なのね?」
「そう」
「夏の、暑い時間」
「そう」
「・・・ねえ、伝わった?」
「ええ」
「伝わった?本当に?本当にちゃんと伝わったの?」
「ねえ、これはなんだと思う?」
「栞」
「わたしも栞だと思う。未智はそれじゃ不満なの?」
「うーん」 「・・・それって反則じゃないかしら」
「あら、ルールなんてあったんだ」
「あーあ、なんだか死んだくらげみたい」
「くらげ?」
「アメーバ」
「アメーバ?」
「輪郭が無いってこと」
「気にしたら負けなのよ、そういうのは。『信じる者は救われる』」
「『信じぬ者は救われぬ』」
「『聖なるかな』」
「『聖なるかな』」
「『アーメン』」
「『アーメン』」
PR
トラックバック
トラックバックURL: