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2017/11/20 02:53 |
車内での会話#3

「退屈」

「そうね」

「そうねって、未智は本読んでるじゃない」

「あら、読みながら退屈してるの」

「器用ね」

「そう?でも、退屈を紛らわすためにドミノをしたって、やっぱり退屈でしょう」

「わたしはジェンガのほうが好きだな」

「倒すのが好きなのね」

「違う、崩すのが好きなの」

「同じことじゃない」

「ぜんぜん違うわ。違う単語だもの。アリバイを崩すのと犯人を倒すのって違うことでしょ」

「どっちかっていうと、犯人って捕まえるものじゃないかしら」

「なら倒してから捕まえればいいじゃない・・・いる?どうぞ」

「ありがと」

「あれ、これメロンかと思ったら林檎だった」

「う・・・白いから檸檬だと思ったのに」

「え、白っていったら普通は薄荷だと思うけど」

「檸檬の果肉だって白いじゃない」

「グレープフルーツだって白いわ。飴はあんまりみないけど」

「歯磨き粉も白かったわね、そういえば」

「喉には良いんじゃない」

「歯磨き粉の話?」

「薄荷の話」

「なんだ、やっぱり歯磨き粉の話じゃない」

「水飴と一緒に煮たら飴になるかな」

「ガムに混ぜたら?」

「もうあるわ」

「グレープフルーツ味のガムが?」

「檸檬味のガムだってあるわよ」

「まあ、なんでもあるのね」

「うんざりするくらいね」

「うんざり?」

「ぐったり」

「塩でも飲めば元気になるんじゃない?」

「考えただけでも喉が痛くなるなあ」

「痛くなったら歯磨き粉飴でも舐めたら?」

「なんだかざらざらしてそうね、それ。私は薄荷のほうがいいな」

「もう舐めちゃったわよ」

「そう、だったら塩はやめとく」

「じゃあ、代わりに砂糖でも飲む?」

「そうね、ミルクと珈琲たっぷりで」

「私は紅茶とミルクにしようかな」

「ビスケットはいかが?」

「いただきますわ」

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2008/10/19 23:59 | Comments(0) | TrackBack(0) | 会話
車内での会話#2
「空はあおくて、雲はなくて、パソコンで描いた下手な絵みたいに一色だけ」

「太陽は?」

「太陽はいちばん高いところに昇っていて、みんな何だか白っぽくみえる」

「鳥は?」

「鳥は電線にもとまっていないわ」

「地面は?」

「道路。とまれの「ま」の上に立っているの」

「匂いは?」

「水の匂い。藻の浮いた水。それと排気ガス。草。どこかの家」

「音は?」

「静かよ。でも、音がしないんじゃない。聞こえているけど聞こえていない」

「蝉は?」

「もちろん蝉は鳴いているわ」

「車は?」

「どこかを走ってる。バイクも」

「人の声は?」

「テレビの音、運動部の音。笛の音。走ってる音」

「風は?」

「草が揺れる音。草が揺れる時に出る音。耳元を通る音」

「夏なのね?」

「そう」

「夏の、暑い時間」

「そう」

「・・・ねえ、伝わった?」

「ええ」

「伝わった?本当に?本当にちゃんと伝わったの?」

「ねえ、これはなんだと思う?」

「栞」

「わたしも栞だと思う。未智はそれじゃ不満なの?」

「うーん」 「・・・それって反則じゃないかしら」

「あら、ルールなんてあったんだ」

「あーあ、なんだか死んだくらげみたい」

「くらげ?」

「アメーバ」

「アメーバ?」

「輪郭が無いってこと」

「気にしたら負けなのよ、そういうのは。『信じる者は救われる』」

「『信じぬ者は救われぬ』」

「『聖なるかな』」

「『聖なるかな』」

「『アーメン』」

「『アーメン』」

2008/03/25 23:47 | Comments(0) | TrackBack(0) | 会話
車内での会話#1
「ねえ、梟って、いつ寝るか知ってる?」

「・・・ねむたくなったらでしょう」

「そうじゃなくて、時間帯の話」

「梟は夜行性だって、本で読んだことがある」

「じゃあ、朝寝るのね?」

「そういうことになるかな」

「ねえ。でも、わたし、思うのよ」 「梟はねむらないんじゃないかしら、って」

「・・・ねむらない生きものなんて居ないわ」

「そうね、だから梟は片目ずつ交互にねむるのよ」

「ウインクするみたいに?」

「ウインクするみたいに」

「それじゃ梟って、ずいぶん器用なのね」

「貴女だってウインクくらいできるでしょう」

「ウインクはできるけど、そのまま眠ることは多分できないわね」

「寝られる人だっているんじゃない?」

「じゃあ、昼間の梟は半分だけ起きてて」

「もう半分は寝てるのね」

「半分寝ながら、ずっと夢を見ているのかしら」

「梟が?」

「そう、梟が」

「どんな夢?」

「梟は、夢の中でも梟なのかしら」

「鼠になった夢でも見ているのかも」

2008/03/23 00:39 | Comments(0) | TrackBack(0) | 会話

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