でもそんなの平気だ。
ディグニータのマスカラはウォータープルーフなんだから。
いくら泣いても平気なのだ。
「断る理由をうまく言えなくても、断っていい」んです。
提案をする側が強引に、
「なぜ断るのですか。その理由を言ってください」と
相手を泣かせるくらいに詰め寄ったとしても、
「なぜだかわかりませんが、お断りします」と、
提案された側は、言ってもいいのです。
そうでなかったら、「うまく言えない気持ち」は、
なかったことにされちゃうからです。
ゲームのなかの取引だって、
プロポーズだって、M&Aだって、買い物だって
「なんだか知らないけどイヤン」と、言っていい!
これはとても大事なことだと、ぼくは思うのです。
そうでないと、「肉体的な力ずく」ばかりでなく、
「言論的な力ずく」に、負けちゃうでしょう。
私は思わず納得して、ちょっと感動して、でも、その満足っていうのが不思議なほどむずかしいんだよな、と思った。
けれども、本屋さんにとっては、つくった本が売れてしまえば、問題の大部分は片づくの
です。そこで、手を変え、品を変えて、「××名作全集」「少年少女新世界文学全集」「世界
童話文学全集」というような、どれがどれだかわからないような本が、あとからあとから出て
きます。そして、その本は、二、三年すると、消えてゆきます。何というエネルギーと紙とイ
ンクの損失でしょう。
そして、子どもにとっては、何という貴重な成長時代という時の損失でしょう。
石井桃子氏が死去。ご冥福をお祈りいたします。
「考えると不思議ではないか、この世に生をうける前、我々は塵であった。死してまた塵に返る。人であるよりも塵である方が遥かに長い。では死んでいるのが普通であって生きているのはわずかな例外にすぎない。ならばなにゆえ、死が怖いのか」
第一、我々はそれを高級なことだなどと思うだろうか。